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†桜影法師†

「ひじかたさん、かみにさくらがついてますぜ」
「ん?どこ?」
「かがんでくだせぇ、おれがとりやす」
「ん」



†桜影法師†




道場から程近い桜並木を、土方と沖田は2人でのんびり散歩していた。
土方の髪に付いた桜に気付いた沖田が一所懸命に手を伸ばすが、届かずに唇を尖らせる。

「…とれた」
「アリガトな」

腰を折り膝に手を添えて屈んだ土方の髪に付いた花びらを、沖田は背伸びをして綺麗に取った。
ご丁寧に、その収穫は全て沖田の手の中。

「すごいたくさんついてやしたぜ?」
「はは、桜に好かれちまったかな?」

両手に広げた桜を沖田に見せられ、土方が笑う。
一瞬キョトンとした沖田が、次には自分の身なりを確認した。

「おれにもさくら、ついてやせんか?」
「大丈夫だよ」
「……そっかぁ」
「どした?」

あからさまにガッカリと気落ちする沖田に、土方が首を傾げる。
沖田が落とした視線をゆっくり持ち上げると、土方の優しい瞳に自分が映った。

「……おれはさくらに、きらわれてんのかなぁ」
「は」

どうやらさっきの土方の冗談を、沖田は真に受けたらしい。
本気で悲しそうな沖田に、土方は微かに苦笑してからニッコリ微笑んだ。

「仮に桜がお前を嫌ったとしても、桜に好かれてる俺がお前のコト好きなんだから、それでいいだろ?」
「―――ぇ」

落ち込んでいた気持ちが、一気に浮上する。
沖田が口を開こうとしたその時、突如強い風が吹いた。
春特有の突風。

雪のように舞い散る桜吹雪。沖田の視界の中で、土方が無数の花びらに包まれた。
桜に合わせて靡く黒髪。土方の存在が、儚く見える。

その余りに幻想的な姿に、沖田は思わず土方の着物の裾を握り締めた。
桜が消えたと同時に、土方も消えてしまいそうで沖田は怖かった。

風がやみ、舞った花びらが少しずつ空中から地面へと落ちていく。
視界が開けた時、まだ土方はちゃんと沖田の手の中にいた。


「どうした?総悟」
「……おれがひじかたさんをすきなきもちは、さくらになんかまけやせん」

だから

「………そっか」
「そうでさぁ」

おまえになんか、ひじかたさんはぜったいにやらない。


「アリガトな」

微かに照れ臭そうに目を細めた土方が、掴まれていない方の手で、沖田の頭をソッと撫でた。




---
某さくらまつりの会場に派遣された時突発的に思い付いて休憩時間で書き上げた話(<何やってんの)
過去沖土に夢見過ぎですか?総ちゃん可愛いすぎですか?(笑) いいのひあまのショタ心が疼くから(問題発言)

いつもみたくただの会話文にする予定だったけどなんとなく普通の文章で仕上げてみた
そしたらやっぱり丁度いい具合な短編が出来たよ あはは ̄▽ ̄
普段の会話文にもこのくらいの背景描写が省略されてると思って読んでもらえたら嬉しいv
ちなみに 実際会話文だけの形式で仕上げたとしたらこんな感じ
空メ→ proj.62@baragaki.b.to
URL→ http://baragaki.b.to/proj/62
何暇なコトしてんだひあま…_(_ _;)_(苦)




http://z.peps.jp/nn743/&s_id=baragaki

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